【組織マネジメント100の考え方】#18「“らしさ”がブランドをつくる」

― 他と比べない。他にはない“あなたらしさ”が価値になる ―

「差別化が難しい」「競合が多くて埋もれてしまう」「価格でしか選ばれない」
こうした悩みは、どんな業種・業界でも聞かれる普遍的な課題です。特に医療機関や地域ビジネス、サービス業では、「どこも似たようなことをやっている」という状況になりやすく、自院・自社の存在感が発揮しづらくなります。

しかし、本当に差を生むのはサービスの内容ではなく、**「その組織にしか出せない“らしさ”=個性」**です。
商品や設備は真似できても、文化や雰囲気、接遇、言葉遣い、価値観は真似できない。
つまり、「らしさ」は最も強固で、唯一無二の“ブランド資産”なのです。


「ブランド=ロゴやデザイン」ではない

「ブランド」と聞くと、多くの人がロゴやキャッチコピー、広告ビジュアルを思い浮かべます。もちろん、それらはブランドを構成する一要素です。
しかし、本質はそこではありません。

ブランドとは、「あの会社といえば〇〇だよね」と言ってもらえる“印象の集積”です。

たとえば、

  • 「あの医院はスタッフがみんな優しい」

  • 「あの会社は対応が丁寧で早い」

  • 「あそこは安心して任せられる」

こうした言葉が自然と出てくるとき、すでにブランドは形成されています。
つまり、日々の“あり方”や“ふるまい”の積み重ねが、ブランドをつくっているのです。


なぜ“らしさ”がブランドになるのか?

現代の顧客は、「何を買うか」ではなく、「誰から買うか」「どこで受けるか」で判断しています。
商品・サービスの機能や価格は、簡単に比較できる時代だからこそ、“感情的な価値”の占める割合が大きくなっているのです。

そして、その感情的な価値は、「その組織らしい接点」から生まれます。

  • 受付スタッフの笑顔

  • 言葉遣いや所作

  • 店内の空気感

  • 発信している言葉のトーン

  • 過去の対応経験

こうした“人のふるまい”や“文化的な違い”が、顧客の記憶に残り、「他ではなくここを選びたい」という理由になります。

つまり、“らしさ”とは、選ばれる理由であり、忘れられない記憶なのです。


“らしさ”をブランドに変える3つのステップ

① 「自分たちの強みは何か?」を掘り下げる

ブランドづくりは、“差別化”ではなく“自己理解”から始まります。
「私たちは、何を大切にしているのか?」
「お客様や患者様に、どう思われていたいのか?」
「どんなときに、ありがとうと言われるのか?」

こうした問いをチームで共有し、自分たちの“原点”や“本質的な価値”を言語化することが大切です。

② “らしさ”を言語と行動で表現する

たとえば「親しみやすさ」が自社の“らしさ”だとしたら、それは言葉遣いや接客マニュアル、SNSでの発信、イベントのトーンなどに反映されている必要があります。

理念や行動指針として、「私たちはこう振る舞う」と明文化することで、組織全体に統一感が生まれ、ブランドが強化されます。

③ 顧客や社員との“接点”すべてに統一感を持たせる

ブランドは、社内外のあらゆる接点の中で形成されます。
たとえば:

  • 求人票に記載する文章のトーン

  • 名刺のデザイン

  • 電話対応やメールの文面

  • 待合室の掲示物やBGM

  • スタッフのSNSでの言葉づかい

これらすべてが「その会社らしいか?」という基準で一貫していれば、それは“ブランド体験”になります。


スタッフの行動が、ブランドをつくる

ブランドは、ポスターや広告ではなく、スタッフ一人ひとりのふるまいによってつくられます。

どれだけ外側を整えても、現場の接遇や対応に違和感があれば、ブランドは一瞬で崩れます。
逆に、特別な施策をしなくても、スタッフが“らしさ”を体現していれば、自然と「ここはいい会社だ」「また来たい」と思ってもらえるのです。

だからこそ、“らしさ”をスタッフ全員が理解し、誇りを持って行動できるようにすることが、ブランドづくりにおいて最も重要な取り組みになります。


「ありのまま」ではなく、「ありたい姿」をデザインする

注意すべきなのは、「らしさ=現状そのまま」ではないということです。
ブランドとは、単に自然体でいればいいというものではなく、「どう在りたいか」を明確にし、それに近づく努力をすることです。

  • 「安心感を与える会社でありたい」

  • 「スタッフの温度感で選ばれる組織になりたい」

  • 「若い感性と信頼性を両立した医院でありたい」

こうした“ありたい姿”を描き、行動で表現し、言葉で伝える。
その積み重ねが、やがて「あなたたちらしいね」という外部からの認知となり、ブランドになります。


結論:ブランドは“正しさ”ではなく“らしさ”でできている

誰かに似せる必要はありません。
他社と比較するよりも、自分たちが何者であるかを問い続けることが、最も強いブランドを生み出します。

“らしさ”とは、最もブレない軸であり、誰にも真似できない財産です。
だからこそ、まずは組織の中でその“らしさ”を言語化し、共有し、日々の言動に落とし込んでいくことが、ブランドづくりの第一歩となるのです。

あなたの組織には、「〇〇らしさ」がありますか?
そして、それをスタッフ全員が自覚し、誇りを持って表現できているでしょうか?

答えがYESなら、それはすでに“ブランドがある”ということです。

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