【組織マネジメント100の考え方】#21「“仕組み化”は属人化を防ぎ、再現性を生む」

― 優秀な人がいなくても、成果が出る組織へ ―

「〇〇さんがいないと業務が回らない」
「ベテランが辞めた途端に混乱が起きた」
「結局いつも“できる人”ばかりに仕事が集中してしまう」

こうした悩みを抱えている組織は非常に多くあります。
一見「頼れる人がいる」ように見えても、裏を返せばそれは**“属人化”というリスク**を抱えている状態です。

属人化とは、特定の人のスキルや判断力に依存して業務が成り立ってしまっていること。
この状態が続くと、「ミスの温床」になり、「新人が育たない」ばかりか、「いざという時に業務が停止する」という致命的な問題にもつながります。

だからこそ重要なのが、業務を“人任せ”にせず、“仕組み”で回るようにすること
仕組み化は、組織の安定性と成長を支える“土台”なのです。


属人化の何が問題なのか?

属人化が引き起こす主な問題は、以下の通りです:

  • 業務のブラックボックス化:誰が、何を、どのようにやっているのかが周囲にわからず、トラブル対応ができない。

  • 人材育成が進まない:「見て覚えて」が常態化し、再現性のある教育ができない。

  • 負担の偏りが常態化:スキルや経験がある人に仕事が集中し、燃え尽きやすくなる。

  • 退職・異動で業務が崩壊:担当者が抜けた途端に、仕事のやり方が誰もわからなくなる。

こうした属人化は、“今はうまく回っているように見えても、長期的に組織を脆弱にしていく”危険な状態です。


“仕組み化”とは何か? ― その本質

仕組み化とは、誰がやっても、一定の質で、安定して成果が出るようにすることです。
つまり、「人の経験や勘に頼らずとも、結果が再現できるようにする」ための方法です。

たとえば:

  • 電話対応のマニュアルがあり、新人でもすぐに応対できる

  • 新規患者対応フローが定型化されていて、誰でも案内できる

  • 日報や報告様式が整っており、情報共有の漏れがない

こうした“仕組み”によって、業務が「個人の能力」ではなく「組織の仕組み」で動くようになります。


なぜ“仕組み化”は再現性を生むのか?

属人化は“属人力=再現性ゼロ”ですが、仕組み化は“組織力=再現性あり”です。

再現性があるということは:

  • 誰がやっても同じ水準のサービスが提供できる

  • 教育・育成が速くなる

  • 改善点が明確になりやすい

  • 成果の検証が可能になる

  • 拡大・多店舗展開がしやすくなる

つまり、成長の“土台”が整うということです。


仕組み化の対象と、進め方のステップ

仕組み化は、「すべてをマニュアルにする」ことではありません。
優先すべきは、以下のような“影響力が大きい業務”です。

【優先順位の高い仕組み化の対象】

  • 顧客・患者対応(受付、初診、クレーム対応など)

  • 情報共有(日報、引き継ぎ、申し送りなど)

  • 教育・育成(OJT、チェックリスト、研修資料など)

  • 定期業務(請求、在庫、発注、清掃など)

【仕組み化の4ステップ】

  1. 現状把握:その業務は、誰がどのように、どんな順番でやっているか?を“見える化”する(フローチャート化、動画記録など)

  2. 手順の整理と簡素化:「何のために」「どこで」「何を使って」やっているのかを分解し、ムダやバラつきを排除する

  3. マニュアル化・チェックリスト化:誰でもできるように、言語と図・写真で記録。判断が必要なポイントには基準を設ける

  4. トレーニングと改善:運用してみて、実際にどこでつまずくかを確認し、フィードバックを受けて改善を繰り返す


“マニュアル文化”は退屈ではなく、強い

「うちは人間味を大切にしているので、マニュアル化はちょっと…」
こうした声もありますが、誤解してはいけないのは、マニュアル化=マニュアル人間化ではないということです。

仕組みは、“最低限守るべき型”を整えておくためのもの。
その上でのアレンジや個性、創造性は、むしろ“土台があるからこそ活きる”のです。

スポーツでも、型を覚えた人間ほど応用が効きます。
接客や対応も同じ。型があるから、自由に動けるのです。


「仕組みで動く組織」になると、経営が変わる

仕組みが整ってくると、組織全体に以下のような変化が起こります。

  • 新人教育が加速する:OJTのバラつきが減り、1ヶ月で即戦力に

  • 業務の効率が上がる:ミスや確認作業が減り、全体の生産性が向上

  • 現場が自立する:属人性がなくなり、リーダーが育ちやすくなる

  • 拡張・分院展開が可能に:仕組みごと横展開でき、短期間で再現できる

  • 経営者が“現場”から離れられる:判断や実行を仕組みに任せ、戦略に集中できる

これらは、「経営者1人の頑張り」から「組織全体の仕組みの力」へのシフトです。


結論:仕組み化は、「未来への投資」である

属人化は、一時的には楽ですが、組織の未来を蝕みます。
一方で、仕組み化は最初こそ手間がかかりますが、長期的に見れば人材を守り、品質を守り、経営の自由度を守ります。

「忙しくて仕組みをつくれない」と思っているなら、それこそ仕組みがない証拠です。
忙しいからこそ、“人に頼らず、仕組みで回る”体制をつくることが必要です。

あなたの組織は、「あの人がいないと困る」で止まっていませんか?
そのノウハウ、感覚、判断力——仕組みにできます。再現できます。任せられます。

仕組み化こそ、強い組織への扉です。

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MHアドバイザリー株式会社

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