【組織マネジメント100の考え方】#51「“自律型人材”を育てるには、“任せて支える”が鍵」

― 放任でも管理でもなく、“信頼”から始まるマネジメント ―

「指示がなければ動かない」
「自分で考えずに、すぐ確認に来る」
「受け身の人材ばかりで、成長しない」

こうした悩みを持つ組織やリーダーは多いでしょう。
変化の激しい時代において求められているのは、指示待ち人材ではなく、“自律的に考え、動ける人材”です。

では、どうすれば自律型人材は育つのか?
その鍵は、「任せて支える」というマネジメントスタイルにあります。
つまり、丸投げでも、過干渉でもなく、信じて委ねながら、必要なサポートを整えるという関わり方です。


自律型人材とは、どんな人か?

  • 自分の役割と期待を理解し、自ら行動できる
  • 問題を見つけ、課題を設定し、改善に取り組める
  • 上司がいなくても、目標に向かって動き続けられる
  • チームや組織全体の目的を自分ごととして捉えている

つまり、「言われたことをこなす人」ではなく、「必要なことを自分で考えて動ける人」のことです。


自律を妨げる“3つの落とし穴”

1. 【マイクロマネジメント】

  • 逐一指示を出す
  • 細かい進捗を常に確認する
  • 自分のやり方を押しつける

このような関わり方は、部下の“考える力”を奪います。
「どうせ自分の判断ではダメなんだ」と感じさせ、受け身を助長してしまいます。

2. 【丸投げ・放任】

  • ゴールだけ伝えて、途中を一切見ない
  • 困っていても声をかけない
  • 「自律って、自分で全部やること」でしょ?という誤解

これは「任せている」のではなく、「見放している」に近い状態です。

3. 【期待と支援の不一致】

  • 「考えて動け」と言いながら、失敗に厳しい
  • 支援を求められたときに「自分でやれ」と突き放す
  • 成功したときは放置、ミスしたときだけ責める

これでは、自律どころか、不信感と防衛意識だけが育ってしまいます。


“任せて支える”ための5つのステップ

1. 【期待とゴールを明確に伝える】

自律的に動くには、「何を目指すか」「どんな期待があるか」が明確であることが大前提です。

  • 「あなたに任せたいのはこの部分です」
  • 「この範囲の意思決定は委ねます」
  • 「目標はここで、期限はこれくらいです」

曖昧な委任は、不安と誤解を生みます。

2. 【“任せる覚悟”を持つ】

任せるということは、自分が口を出す範囲を明確に区切ることでもあります。

  • 「途中で口を挟まない」
  • 「やり方の違いを尊重する」
  • 「多少の非効率も受け入れる」

これができなければ、自律性は育ちません。

3. 【“定点観測”の仕組みをつくる】

任せきりではなく、「見守っている」という安心感を与える仕組みが必要です。

  • 週1回の進捗確認
  • 任せたテーマに対する壁打ち面談
  • 観察メモやフィードバックメモの蓄積

「必要なときは見ている」「声をかけていい」と感じられることが、安心感になります。

4. 【失敗への“許容と支援”をセットで示す】

「失敗しても責めない」「むしろ学びの機会と捉える」ことを、言葉と態度で示す必要があります。

  • 「うまくいかなくても、次にどうするかを一緒に考えよう」
  • 「やってみたこと自体に価値がある」
  • 「何が原因だったか、どう工夫したかを聞かせてほしい」

これにより、「自分で動いていいんだ」という安心感が広がります。

5. 【“できたこと”を一緒に振り返り、承認する】

  • 小さな進歩を言語化し、伝える
  • 他者の前で認める(朝礼や会議で)
  • 成長の“軌跡”を一緒に振り返る

「やってよかった」「見てくれていた」と実感させることが、自律の循環を加速させます。


“任せる力”が、組織の力になる

任せて育てる組織は、結果として:

  • 上司が現場に張りつかず、戦略に集中できる
  • メンバーが主体的に学び、改善が自然に起こる
  • 「考える人」が増え、変化への対応力が高まる
  • 成果と育成が同時に進み、離職率も下がる

つまり、“任せる”という行為そのものが、マネジメントの最大の投資になるのです。


結論:“自律型人材”は、“任せる仕組み”で育つ

「最近の若者は受け身だ」「考えない部下ばかりだ」と嘆く前に、
問い直すべきは、“任せ方”と“支え方”です。

あなたの組織では:

  • メンバーに「任された実感」がありますか?
  • 安心して“自分でやってみる”空気がありますか?
  • 挑戦と成長を、見守り、称える文化がありますか?

“信頼して任せる”ことは、マネジメントの最も高度で、かつ最も重要なスキル。
それがあってこそ、人は自ら考え、動き出します。
“自律型組織”は、“任せて支える文化”から生まれるのです。

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MHアドバイザリー株式会社

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