― 「何に時間を使うか」が、組織の未来を決めている ―
「毎日忙しくて余裕がない」
「重要なことほど後回しになっている」
「本当に必要な時間を確保できていない」
このような声は、現場の管理職や経営者から日常的に聞かれます。
しかし、こうした“時間の使い方”は、リーダー個人の問題にとどまらず、組織全体の未来に影響を与える極めて重要なテーマです。
なぜなら、リーダーの時間の使い方こそが、組織の課題を映し出す鏡であり、その優先順位がチームの行動を決めるからです。
つまり、「どんな仕事に時間を割いているか」で、そのリーダーの“質”がはっきりと表れるのです。
「忙しさの正体」は“選択の曖昧さ”
多くのリーダーが忙しさに追われている背景には、“重要と緊急の混同”があります。
「今すぐやらなければならないこと」にばかり対応して、「本当に大切なこと」が常に後回しになる。
これでは、未来の成果はつくれません。
時間とは、「何に価値を置いているか」の証明です。
どんなに多忙でも、「人材育成」「戦略思考」「関係構築」に時間を使っているリーダーほど、組織に持続可能な成長をもたらしています。
時間の使い方で見える“リーダーの質”
1. 【“管理型”リーダーは、今を回すことに時間を使う】
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ミス対応に追われる
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部下の進捗確認に時間を割く
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報告・連絡・確認に日々追われる
結果的に、自分ではなく“部下の仕事”に時間を使ってしまい、
組織の未来を考える時間がゼロになっていきます。
2. 【“成長支援型”リーダーは、未来をつくることに時間を使う】
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育成のための1on1や振り返りの時間を確保する
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チームの課題を構造的に考える
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新しい仕組みや仕掛けをつくる
このような時間を「意識して」確保しているリーダーは、忙しくても、“未来のための余白”を自ら確保しているのです。
時間の使い方を変える4つの実践ステップ
ステップ1:まず“可視化”する
「今、どんな仕事に時間を使っているか」を記録してみる。
紙でもスマホでも構いません。
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会議:2時間
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トラブル対応:1時間
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部下の相談:30分
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自分の思考時間:0分
こうして見ると、「どこに時間を奪われているか」が明確になり、削減すべきこと・増やすべきことが見えてきます。
ステップ2:“時間の価値”を自分で定義する
「この1時間を、何のために使いたいか」を自問自答する習慣を持つ。
これは、時間を“受け身”ではなく“主体的”に使うためのスイッチです。
たとえば:
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「今からの30分は、〇〇さんの成長支援に投資しよう」
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「この会議は、今後の連携を強化するための対話に使おう」
目的を言語化することで、時間の質は劇的に変わります。
ステップ3:“空ける”ために“捨てる”
新しいことに時間を使うには、今ある業務のどれかを“やらない”と決めなければなりません。
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部下に任せられる仕事を手放す
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形骸化した会議を見直す
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自分がいなくても回る業務を整理する
“自分しかできないこと”だけに集中する覚悟が、リーダーの質を引き上げます。
ステップ4:“未来”に時間を使う習慣を持つ
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週に1回、1時間だけ戦略を考える時間をとる
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毎朝15分、組織の課題を書き出してみる
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毎月1回、チームの関係性を見直す時間を確保する
このように、「緊急ではないけれど、最重要なこと」に定期的に時間を使うことで、
“場当たり”から“設計”へとマネジメントが進化します。
「時間の使い方」は、リーダーの“意志”そのもの
「時間がない」は、実は「優先順位がない」と言い換えられます。
自分にとって、本当に大切な仕事とは何か?
それを明確にしないままでは、いつまで経っても“目の前の処理”に追われ続けてしまいます。
リーダーの時間の使い方は、チームに伝染します。
「この人は、育成を大事にしている」
「この人は、戦略を考える時間を守っている」
その姿が、チームの行動基準になり、文化をつくるのです。
結論:時間は「使い方」で質が決まる
リーダーにとって最も貴重なリソースは、「時間」です。
それは、部下へのメッセージであり、組織の優先順位を示す言葉なき指示です。
あなたは今日、何に時間を使いましたか?
それは、あなた自身が“やるべきこと”だったでしょうか?
それとも“やらされていること”だったでしょうか?
時間の使い方を変えることは、人生と組織の流れを変えることです。
そして、それは明日からでも始められます。
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MHアドバイザリー株式会社
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